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小説『バニー・レークは行方不明』感想

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こんにちは。
自分は間違ってないと確信できるのに、周りが信じてくれないというのは狂いそうな状況だよなとおののくサトーです。

さいきん読んだ本の感想です。
ちょいネタバレしています。

ストーリー

ブランチは保育園に預けてきたはずの3歳の娘バニーを迎えに行くが、保育園の職員も近隣住民も、だれもバニーを見ていないという。
警察に訴えるが、なぜだか警察も信じてくれない。
バニーは本当にいたのに、今朝までいたのに・・・

なぜ誰も信じてくれないのか?
発狂しそうな母親をさらに追い詰めるような事が次々と起こる。
バニーはどこにいるのか。

感想

実は映画を先に見たんですよね。
原作と映画では登場人物が少し違っていました。(主人公の母親の名前は原作ではブランチ、映画はアンです。)
よって犯人も違うんですね。

一番異なるのはラストです。
両方とも問題は解決するのですが、映画は母親と子供にフォーカスして終わるのに対して、原作はなぜかメロドラマちっくになっています。

これを面白いと思うかどうかは個人差があると思いますけどね。
そういう意味では映画の方が、「バニー・レークは行方不明」にテーマを絞った内容ですし、トリックや、最初から不穏な感じを漂わせているので、上手いなあと思いました。

得も言われぬ恐怖

ネタバレになるんですが・・・

『バニー・レークは行方不明』のすごいところ、怖いところは、本当は子供なんて存在しないかもしれない・・・と読者や観てる側に思わせることなんですよね。子供を探す母親が本当に狂っているんじゃないかと思わせるんです。

映画では、ほのめかす程度なんですが、「この母親がやばい」という空気があるんですね。
彼女を真綿のようにゆっくり包み込んでいくその空気が、ああ・・・これは痛々しい母親で・・・子供なんて存在しないかも・・・と思わせるんですよ。その、得も言われぬ恐怖のつくり方がですね、映画は素晴らしかったですね。

どの口が言う

一方、原作ではもっと顕著に母親ブランチを狂人扱いしています。
子供を探す母親にむかって、通行人が心ない言葉を投げつけるし。

作者イヴリン・パイパーの観察眼が鋭くて、狂った(ように見える)人と、それを見ている周りの人との温度差や思考回路の差をわかりやすく書いています。

原作で興味深いなと思ったのは、子供を探す母親の話を聞こうとしない人たちが、いざ自分が困ったことになると、ブランチに「私の話を聞いてほしい。私を信じてほしい」と平気でいうことです。
そんなことを言うのはどの口ですかね?ってかんじなんですよね。

お前は彼女の話を信じなかったくせに、自分のときは信じてほしいというなんて、ずいぶん都合よすぎです。

まとめ

そんなかんじで、原作では必死で子供を探して発狂しそうな母親への嫌がらせみたいなことが多々ありました。

あと、無事に解決したあとにブランチを疑った警察が誰も彼女に謝罪しないというね。読みながら、最後までイラついてましたね。私がね。

こういうのも含めて、人間の身勝手さや矛盾が書かれていて面白いなと思いました。

原作も映画もどちらも面白かったです。
ただ原作は、途中でちょっと冗長に感じたのと、ラストはなんであんな風にメロドラマちっくにしたのか、てことが気になりましたけどね。

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

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